大山道(続き)
「一の鳥居」を通り抜け、大庭隧道からの広い道路を横断し、大山道は 向かい側の細い道へと進む。すぐに分かれ道に突き当たり、分岐点には小さな祠の地蔵尊がある。折戸の地蔵尊である。
地蔵尊の下にある石柱は、道標も兼ねていたっと思われるが風化が激しく、確認不能である。祠の横に句碑があり、「右野道 地蔵も 花も笑ひけり」 薫風と刻れている。
検索の結果、「藤沢の文化財ー文学碑を訪ねて 藤沢市教育委員会編」によると薫風は本名を菊池正平(1908-1990)と言って、茅ヶ崎市のはぎ園の農家で地元の俳句会を通じて飯田九一に指導を受け、遺稿集「華のうてな」がある。この句は昭和27年の4月に俳句仲間と大山道を吟行したとき、折戸の地蔵尊のところで、その場の雰囲気から即吟したものである。